ホソバオオアマナ2010/05/10

 ホソバオオアマナ。3年前、湧き水があふれる南沢緑地の土手で初めてみました。きれいな花なので、これは珍しい植物に違いない、と思いこんで図鑑をひっくり返しました。
 「野草」で探しても見あたりません。花の肉の厚みや全体がかもしだす派手さを考えると、和歌に詠まれるような雰囲気がありません。園芸植物ではないか、と思い直しました。
 その結果、「オーニソガラム」という名で観賞用に栽培されていることがわかりました。日本に持ち込まれたのは明治時代のようです。それが野生化して帰化植物になったのでしょう。
 3年前は、南沢緑地を含めて数カ所でしかみませんでした。いまは、東久留米市内のあちこちに咲いています。その繁殖力たるやすさまじい!
ホソバオオアマナ

シラン(紫蘭)2010/05/10

 シランも不思議な花です。ウィキペディアには、日本・台湾・中国が原産地で、野生のものは絶滅危惧種、という説明が書かれています。ポケット図鑑『日本の野草300冬・春』には「庭や公園によく植えられるが、一方で野生のものを見ることは少なくなった」とあります。
 たしかに、庭や家の周辺、公園で咲いています。種が風で飛んだのでしょう、緑地保全地域で1輪だけ咲いていることもあります。しかしこれは、野生とも自生とも言わないのでしょうね。緑地で増え続けたら、いつかは野生・自生といわれることになるのでしょうか。
 この花は、まとまって咲いていることが多いのですが、あまり美しさを感じません。ところが一輪だけで咲いている姿は、なんともいえない美しさです。ぜひ、逆光で見てください。花はうつむきかげんなので、しゃがみこんで…。
シラン(紫蘭)