カワウ―これほどの違い2011/01/27

 カワウの写真を撮りながら、わからなくなることがあります。2枚の写真はいずれも飛び立つところです。しかし、鵜(う)の顔がずいぶん違います。
 写真上は頭が白いのに対して、写真下はまっ黒です。目の色も違いますし、写真上の目の下にはオレンジがあるけれども、写真下は黄色い部分が多い。どちらかがウミウということはないと思うので、この違いがさっぱりわかりません。一度、詳しい人に聞いてみなければいけないと思っています。
 中西悟堂氏の『定本野鳥記』(全8巻)を古本屋で見つけて、読み始めました。1895年に生まれ、1984年に亡くなっています。日本野鳥の会を設立した人です。この本の中に、「鵜の群棲」と題して、羽田にあった「黒田家の鴨場」のことが紹介されています。「鵜の概数は三千羽」とあります。この「鵜」はカワウです。黒田家の鴨場に隣接した「渡辺氏の鴨場」も紹介され、「白鷺の点、点、点―それも何千という数」とあります。ここでいう白鷺はチュウサギのことです。
 鵜であれ鷺(さぎ)であれ、恐ろしい数がいたものです。1935年(昭和10年)ごろ、それだけの鳥が羽田空港の近くいたことに驚きました。穴守稲荷に近い海岸のようです。ことし1月20日に放送されたNHKの「ブラタモリ」で羽田周辺をとりあげていました。かつては漁師町だったそうです。海水浴場もあり旅館もあり、今でいうレジャーランドのような雰囲気もあったみたいです。
 中西氏の本と「ブラタモリ」を重ねて見ると、賑やかな盛り場を抜けた海岸沿いに鴨場があった、ということになります。穴守稲荷は戦後、米軍に接収され、場所が変わりました。周辺の住民も強制的に移動されられました。住民は「48時間以内に立ち退け」といわれたことも、「ブラタモリ」でやっていました。
 羽田は多摩川の河口で、いまでもバードウオッチングが盛んです。一度、鴨場があった周辺を歩いてみたいものです。

飛び立つカワウ

飛び立つカワウ

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