ガビチョウのさえずり2011/04/14

 それは美しいさえずりでした。「クルル、クルル、クイッ、クイッ、ピーチュイ、ピーチュイ…」。とまあ、文字で書いても伝わりませんよね。ただ、長く聴いていると、うっとうしさも覚えます。鳴き声が大きいからでしょうか。辺りに響き渡る感じです。ネットで鳴き声が公開されているので、調べてみてください。
 鳴き声の主を探していると、いましたいました、茶色い鳥です。近づいても逃げません。ガビチョウでした。ボーッと聴いていると、いつまでも鳴いています。ならば写真を撮らせてもらおうとカバンからカメラを取り出したところ、鳴かなくなりました。こちらの動きを読まれたらしい。ぱっと隣の枝に飛び移りました。慌ててシャッターを切ったのが、下の写真です。鳴いているところは撮れませんでした。
 野鳥の図鑑には載っていないかもしれません。私が持っている数冊の図鑑にはありません。厳密な意味で野鳥ではないからでしょう。中国南部から東南アジアに生息する鳥です。鳴き声がよいから、と飼い鳥として珍重され、江戸時代には日本に持ち込まれていたそうです。それが野生化しました。籠抜け鳥です。自力で日本にやってきた鳥なら野鳥になるのですが…。
 外来生物法で、「特定外来生物」とされています。環境省の説明には、こんなことが書いてあります。
 定着実績 「宮城、福島、茨城、群馬、埼玉、東京、山梨、神奈川、長野、福岡、佐賀、大分、熊本の12都県。生息環境は、下層植生の発達した低地林(里山)」
 被害状況 「ガビチョウ類の定着が確認されている、九州・本州の低地林等の里山的森林において、これらの種が最優占種となり、群集構造が著しく変化している。また、長期的には在来種への直接・間接の負の影響も懸念される」「ハワイ諸島においてはガビチョウが高密度で生息し、在来鳥類の衰退の一因となっている」
 各地に広がったのは、比較的最近だと思います。今は輸入が禁止されていますが、輸入できたころに、飼えなくなった人が逃がしたことも原因の一つかもしれません。東京では高尾山にたくさんいるようです。

ガビチョウ

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