美しい花には危険がある2012/05/06

 市内を流れる落合川は清流として知られています。この川に、黄色い美しい花が咲いています。キショウブです。ヨーロッパ原産の帰化植物で、明治の初めに観賞用として日本に導入されたそうです。外来のアヤメです。繁殖力が強いため、外来生物法にもとづく要注意外来生物の1つに指定されています。環境省のホームページに記された危険度をいくつか列挙してみます。
 ・繁殖力が強く、海外では水路等の雑草になっており、日本でも水辺の在来種と競合・駆逐のおそれがある。
・近縁種に絶滅危惧種が含まれ、それらの遺伝的攪乱のおそれがある。
・美しい花が親しまれ、観賞用に栽培されることが多いため、分布を拡大するおそれが大きい。
・栽培にあたっては、管理されている場所や施設以外に、逸出を起こさない適切な方法で行うことが重要である。
 これだけではありません。日本生態学会は、キショウブを「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定しています。それだけ生態系などへの影響が大きいということなのでしょう。ちなみに、「ワースト100」には、オオアレチノギク、オオカナダモ、オオブタクサ、外来種タンポポ種群、セイタカアワダチソウ、ハルジオン、ヒメジョオン、ホテイアオイなども指定されています。
 昨年も同じようなことを書いたかもしれません。この花を取り上げるときは、美しいとだけは書けないもので…。
 
キショウブ

キショウブ

キショウブ

キショウブ