ミソサザイに沸く2015/03/15

 東久留米はいま、ミソサザイに沸いています。ある人が発見し、それがみんなに伝わって、ちょっとしたブームです。といっても、アマチュアカメラマンだけの話ですが。
 どういうわけかミソサザイは、カワセミのオスとメスとが仲良くなりかけたころに発見されます。真冬の時期からいるはずなんですが、早春に見つかります。この時期はカワセミのデートを撮ろうとする人が増えるために、ついでにミソサザイに気づくのかもしれません。
 出没する場所はだいたい決まっているので、待つことにしました。3時間、4時間待っていても見ることができなかった人もいるので、気長に構えるしかありません。待つこと30分ほど、川の上流から小さな鳥が飛んできて、葦の茂みに隠れました。大きさといい、赤茶色の体といい、ミソサザイに間違いありません。運がいいです。
 何分待てば出てくるか。どこから出てくるか。入った場所から出てくることはほとんどありません。茂みの中を移動しているからです。下流に向かっていることは確実なので、目星をつけて待ちます。せわしなく動く鳥なので、姿が見えたらすぐにシャッターを切らなければなりません。
 なんとか撮ったのが下の写真です。トリミングをしたので、画質が悪いです。尾をぴょこんと立てるのが特徴です。チョイチョイという地鳴きは聞こえましたが、チュリリリリーという囀りはありませんでした。
 ミソサザイは山の渓流にいる鳥で、美しい声で鳴きます。冬場に里へ降りて来て、春になると山に帰ります。スズメ目ミソサザイ科の鳥で、体長は11cmしかありません。日本でもっとも小さい鳥の一つです。14cmのスズメより小さい。
 『山と渓名前図鑑 野鳥の名前』によれば、人を恐れず人家のまわりの溝にも現れるので「みそ」。「サザイ」は「小さな鳥」の意味だそうです。鳥の色が赤味噌のようなので、「小さな赤味噌」という意味でも面白いと思いますが、なんの根拠もありません。昔は家の中にも入ってくる鳥だったので、「味噌を食べに来る」という理解もあるようですが、『野鳥の名前』の著者は「納得できない」と書いています。
 
ミソサザイ

ミソサザイ

ミソサザイ