オナガ2011/12/14

 オナガが群れる場所があります。この鳥は非常に警戒心が強いようで、ゆっくり撮らせてくれません。
 以前にも書きましたが、オナガの分布は限られています。『日本の野鳥590』という図鑑には、こんなふうに書いてあります。
 「留鳥として本州の福井、岐阜、静岡を結ぶ中部地方以北から東北地方にまで分布し、市街地から集落付近の雑木林、河畔林、山地の林まで生息する」
 近畿以西にはいないということです。東京の人間からみれば見慣れた鳥ですが、何かの原因で四国あたりに出現したら、野鳥ファンは大騒ぎになるかもしれません。
 いま、クロツラヘラサギが関東に飛来して話題になっています。この鳥は、九州や沖縄で見られる鳥です。沖縄の友人に関東に来たことを話したら、「こっちにはいっぱいいるよ。見においで」といわれてしまいました。
 というわけで、オナガはしっかり撮らなければいけない鳥だと思っています。東久留米市の鳥にも指定されていますし。なかなかうまく撮れないのが悩みです。
 下の写真は、11月末に撮ったものです。
 
オナガ

オナガ

真冬の蛾2011/12/14

 よく晴れた12月13日の朝、自宅近くの雑木林を通り抜けようとしたところ、白っぽいものがひらひら飛んでいます。小さな蝶のよに見えます。冬空に蝶が飛ぶ? どこかにとまってくれないものか。行方を目で追いました。
 ありがたいことに、数メートル先の雑草にとまりました。見失わないように、とまった場所をみつめたまま静かに前進。足音もしのばせて近寄ってみました。形は明らかに蛾です。12月初めまでは暖かかったので、なんとか生き残っているのだろうか。ここ数日は、めっきり冷え込みました。この日は気候が緩んでいたので、残った力で飛んだのだろうか。あれこれ思案しながら、写真を撮りました。
 撮り終わって移動を始めたところ、別の場所で同じ種類とみえる蛾が飛んでいます。いったいどういう事態なのだ。
 友人の蝶博士に画像を持ち込みました。
 私 「見たところ蛾のようですが、わかります?」
 博士 「あっ、これは蛾だよ」
 私 「名前は?」
 博士 「僕は蛾に興味がないんだよ」
 結局、博士にもわからず。仕方がないので、手探りでネットを調べてみました。どうやら、クロスジフユエダシャクという名前の蛾であるらしい。
「アルプスイチマンジャク」ではありません。
 「晩秋から晩冬にかけて活動する、ちょっと風変わりな昆虫」「冬の訪れを告げる蛾」などの説明があります。生き残っていたのではなくて、いまが盛りに生きている。われながら、新しい発見でした。
 クロスジフユエダシャクは、体長10~15ミリ。写真はオスのようです。オスはさかんに飛びますが、メスの翅は極端に小さくて木の幹でじっとしているそうです。
 
クロスジフユエダシャク