かわいいコチドリ2012/05/16

 コチドリをなるべく近くで撮ることはできないものか。もっているレンズが短いので、作戦を考えました。この鳥は、近づいていくとスタスタとあるいて遠ざかっていきます。その足が速いので、追いかけるのも芸がありません。無理に近づけば飛び去ってしまいます。どうしたものか。
 コチドリの動きを見ていると、降りてくる場所が決まっているようです。先方が歩いてくるのを待ってみようか。そうやって撮ったのが下の写真です。トリミングもしています。
 1枚目の写真は、Nikon1V1に望遠レンズをつけて撮ったもの。あとの写真は、一眼レフで撮りました。
 
コチドリ

コチドリ

コチドリ

コチドリ

コメント

_ ミルー ― 2012/05/17 00:06

本当に可愛いですね!日本の鳥の文様の代表と言えば千鳥じゃないかと思うのですが、江戸時代にはもっと身近でたくさんいたのでしょうか?

_ ミルー様 ― 2012/05/17 01:24

 コメント、ありがとうございます。かわいい鳥で、逃げ足さえ速くなければゆっくり撮れるのになあ、などとぼやいています。
 チドリは、かなり古い時代から日本人の身近にいた鳥でした。
 チドリにもいろんな種類がありますが、奈良時代から「ちどり」の名で知られていたようです。7世紀から8世紀にかけて編まれた『万葉集』には、「ちどり」を詠った歌が22首あるそうです。25首と書いている本もあります。1だけつ紹介します。作者は柿本人麻呂です。
 「近江の海/夕波千鳥/汝が鳴けば/心もしのに/いにしへおもほゆ」
 平安時代になって、浜辺にいる千鳥を「はまちどり」と呼ぶようになりました。
 千鳥類と鴫(しぎ)類が区別されるようになったのは明治に入ってからなので、『万葉集』の歌には鴫も入っているようです。「ちどり」としては、イカルチドリ、コチドリ、シロチドリ、メダイチドリ、オオメダイチドリあたりでしょう。
 室町時代につくられた狂言や江戸時代の歌舞伎脚本にも、「ちどり」が登場するものがあるそうです。江戸時代の文献に「ちどりは多くあつまりて、ちよちよと鳴く」という解説もあります。
 北原白秋が作詞した童謡「ちんちん千鳥」(1921年)も有名ですね。「ちんちん千鳥の啼く夜さは、啼く夜さは、硝子戸閉めてもまだ寒い、まだ寒い」。
 「ちどり」は、日本の文化を担った鳥ですから、人の近くにいた鳥なのではないかと思います。『ちんちん千鳥のなく声は』という本があります。日本人は鳥の鳴き声をどのように表現してきたか、をまとめたものです。著者の山口仲美さん(明治大学教授)が、「ちどり」の項目の最後を、次のように締めくくっています。
 「日本人は、あの冴えた音色で鳴くチドリの声を『チ』『チヨチヨ』『チリチリ』『チンチン』と、一貫して『チ』ではじまることばでうつしてきた。さらに和歌の世界では、『チヨチヨ』の声をもとに、『ヤチヨ』の声を創り出し、ことほぎの伝統を形成していった。日本人は可憐なチドリが、大好きだった」
 長くなってすみません。答になりましたでしょうか。

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