飛ぶオナガ2012/05/31

 オナガが巣をつくっている辺りは、実ににぎやかです。というより、うるさいです。飛んでいる姿は美しいのですが、鳴き声がいただけません。「ギューイギューイ」「ギャアギャア」「ジュイジュイ」とまあ、濁音系の鳴き方をします。たまに「キュルルルル」とかわいい声を発するときもあります。群で生活しているので、あっちこっちで声がします。スズメ目カラス科なので、カラスの仲間。静かであるわけがないですね。
 警戒心の強い鳥で、なかなか寄れません。目の前を飛んでいるわりには、その姿を写真にするのが難しい。私には手強い相手です。それをなんとか克服しようと、飛びの写真に挑戦しました。
 オナガは、北海道や近畿以西の人にはなじみがないかもしれません。中部地方以北から東北地方にかけて分布しているだけだからです。
 この鳥は、わが東久留米市の「市の鳥」です。市役所のホームページに、その理由が書いてあります。「オナガどうしは仲がよく、力を合わせて事に当たるという習性があり市の鳥としてふさわしいといえます」
 オナガは、群でカラスと対峙します。
 
飛ぶオナガ

飛ぶオナガ

飛ぶオナガ

飛ぶオナガ

たたずむオナガ2012/05/31

 「飛ぶオナガ」をアップしてから、鳥の全体像がよくわからない写真だったことに気づきました。なので、とまっているオナガも加えておきます。
 「長い尾っぽに水色の翼、黒い帽子がオナガの特徴である」と書いたのは、『東久留米の野鳥』の著者、吉良幸世氏(故人)でした。吉良氏は、東久留米市内にある自由学園で教鞭を執り、野鳥の研究を続けた人です。オナガは「黒い帽子」が曲者で、目に光を入れて写真を撮らないと、ただの帽子鳥になってしまいます。
 オナガの名前は、その姿を見れば一目瞭然です。尾羽が長いからです。鶏の品種に「オナガドリ」というのがありますが、こちらは日本の特別天然記念物。「オナガ」は、ただの東久留米市の「市の鳥」。尾羽が美しいサンコウチョウも「おながどり」といわれることもあるやに聞いています。くれぐれもお間違いのなきよう。「オナガガモ」というのは、冬にシベリヤからやってくるカモさんです。
 オナガの分布を極端にいうと、日本・朝鮮半島・中国東部とヨーロッパのイベリア半島にだけいます。ユーラシア大陸の東端と西端とに分かれて生息しているのは、氷河期が原因ではないかといわれています。その日本でも、北海道と近畿以西の人にはなじみがないことは、「飛ぶオナガ」のところで紹介しました。
 
たたずむオナガ

たたずむオナガ

たたずむオナガ