ソウシチョウ 美しいけれど…2013/02/15

 日本水仙が中国経由で渡ってきたと前回書きましたが、このソウシチョウは中国からやってきた鳥です。ただし、自力でやってきたのではありません。日本で飼うために人間が持ち込みました。江戸時代から輸入されていたようですが、日中の国交が正常化された1980年以降、本格的に輸入されるようになったといわれています。売れ残った鳥を野に放ったペット業者もいたとか。ソウシチョウは籠抜けした鳥なので、「野鳥」とは呼びません。しかし、定着してしまえば野鳥になってしまうでしょう。
 この写真は、清瀬市で撮りました。10羽ほどが群れていて、お互いに鳴き交わしていました。賑やかな声です。だから「相思鳥」と書くのかなと思いました。スズメとほぼ同じ大きさで、ちょこまか動きます。暗い藪の中からちょこんと顔を出して枝にとまり、すぐに飛んで移動します。ピントをあわせているうちにいなくなる。シャッターを切ろうとすると動いてしまう。撮るのに苦労しました。100コマほど撮ったのですが、ピントが合っていたのは1割以下でした。
 それにしても派手な鳥です。かわいいことはかわいいのですが、「日本の侵略的外来種ワースト100」に数えられ、メジロ、コマドリ、コルリ、ウグイスなどの在来鳥類に影響が及ぶのではないかと心配されています。関東以西の都府県で分布が確認されていますが、どういうわけか千葉県では確認されていないことになっています。東北では唯一山形県で確認されています。新潟、富山、福井そして北海道では確認されていません。確認されていないから分布していない、とはいえないと思いますが。
環境省ホームページある「特定外来生物の解説」は、ソウシチョウについて興味深い記述をしています。以下はその引用です。
 「姿が美しかったり、声がきれいであったりしたために、多数の個体が飼育された。また、伝統的な化粧製品であるウグイスの糞粉の代替品として本種の糞が用いられ、集団で飼育されている。近年、ソウシチョウの輸入は、輸出国の中国の政策および日本における需要等の要因からほぼなくなっている。一方で、飼育が容易でペットとしても魅力があることから広く飼育されている可能性がある」
 
ソウシチョウ

ソウシチョウ

ソウシチョウ

コメント

_ ももごろう ― 2013/02/15 15:03

以前こちらで拝見したときにも書きましたが、美しい鳥ですね~。オシドリの雄を連想します。

外来種に関しては複雑な思いです。来たくて来たわけじゃないのにねぇ。

アメリカ・インディアンや日本の先住民族は、どんな気持ちだったんでしょうねぇ。(ちょっと飛躍しすぎかな。)

_ ももごろう様 ― 2013/02/16 01:36

きれいですよね。日本の鳥になってしまうと思います。
>来たくて来たわけじゃないのにねぇ。
おっしゃるとおり。鳥に責任はありません。
オスとメスとが鳴き交わすときは、実に賑やかですよ。
>アメリカ・インディアンや日本の先住民族は…。
これもまたしかりですね。
在来のウグイスの気持ちは穏やかではないでしょう。
ウグイスなどが減っているのかどうか。
なんとか共存してもらいたい。

_ Uta ― 2013/02/16 20:32

とても鮮やかな色の鳥ですね~初めて見ました。
侵略鳥外来種ですか・・・とても綺麗ですが。
生態系が乱れてしまうのでしょうか。

ここ数年ガビチョウが増えていて近所にも多く見られるのですが
やはり中国?からの外来鳥のようですね。
うまく共存できるといいのですが。

_ Uta様 ― 2013/02/17 00:53

コメント、ありがとうございます。
人が持ち込んだ鳥が野生化した場合、生きる能力が高いと考えられるので、同じような環境で生活している在来の鳥が駆逐される危険があります。生態系にかかわる事態であることは確かです。ガビチョウも中国から人間が持ち込んだ鳥です。鳴き声が美しいからです。
鳥に責任はありません。共存できればいいのですね。

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