アオサギ 飛び出し3態2019/04/28

 夕方の黒目川。アオサギが岸辺にたたずんでいました。姿のいい個体です。あまり人見知りをしないので、夏いっぱい黒目川にいてくれると助かります。ほんのあいさつのつもりでカメラを向けたら、いそいそしはじめました。
 ということは、飛ぶかもしれません。飛び立つ瞬間を撮りたくなるのは人情です。本気で構えてしまいました。コンデジしか持っていなので、本気度も高い。しかし、うまく撮れる確率は低い。

 いつでも飛べ。早く飛べ。もたもたするな。勝手なことを心で唱えていたら、隣から女性の声が聞こえました。「すみなせん、あれは何という鳥でしょうか」。困ったタイミング。ファインダーをのぞいたまま、ちょっと大きめの声で、「アオサギっていうんです。サギの仲間ではいちばん大きいんですよ」と答える。「あらあ、そうなんですか。珍しい鳥なんですよね」「そうでもないですよ。黒目川にはだいたいいつでもいますから」「そうなんですか。初めて見ました」「それはよかったですね」「ありがとうございました」

 アオサギはまだ飛ばない。気を利かそてくれたのか。改めてカメラを構え直したところで飛んでくれました。アオサギを見送っていたら、案外近いところに舞い降りました。再びアオサギに接近してカメラを構えていたら、横から別の女性の声がしました。「あのう、何ていうとりでしょうか」。アオサギを撮っていて、連続して名前を聞かれるなんて初体験。「アオサギっていうんです」「これがアオサギですか。きれいな模様があるんですね」「地味ですけど、きれいですよ」「オスですか、メスですか」「それがねえ、わからないんです。見た目はほとんど同じなので」「そうですか、お邪魔しました」

 アオサギはまだ飛ばない。飛ぶ気配がなくなってきました。フィンだーから目を離して、肉眼で見る。しばらくして左右を見始めたので、カメラを構えたら、飛んでくれました。
 また近くまで行って、3回目の飛び出しを撮りました。このときは、声をかけてくる人はいませんでした。
 
アオサギ

アオサギ

アオサギ