驚愕の子育て2015/04/26

 昨日、「やんちゃ盛り」の題で、カモのヒナたちを紹介しました。きょうは、その続きです。
 8羽のヒナのうち、7羽はカルガモのヒナそっくり。残る1羽は黄色いアイガモのような感じです。この組み合わせでヒナを産むのは、落合川では母親がアイガモで父親がマガモの可能性がもっとも高い。ところがどうでしょう。ヒナを連れているのはカルガモです。カルガモがアイガモと交雑してしまったのでしょうか。(1枚目の写真から3枚目)
 不思議だなあ、と思いながらヒナの写真を撮っておりました。
 ヒナたちの動きに合わせて上流への移動していくと、カメラを土手に向けている男性がいました。なにを撮っているのか。レンズの先をのぞき込むと、あらあらアイガモが卵を抱いているではありませんか。巣(A巣)には卵も見えます。(4枚目の写真)
 この男性は、毎日この巣の写真を撮っているそうです。「そこにも巣があるでしょう」。彼が指さしたのは、アイガモから右へ1メートルほどしか離れていない別の巣(B巣)でした。(5枚目の写真)
 「とんでもないことが起きたんですよ」と話が続きます。それは「親子入れ替わり」という驚愕の事実でした。
 実は、カルガモが連れている8羽のヒナは、私の目の前で卵を抱いているアイガモの子だそうです。アイガモは、B巣でヒナをかえしたものの、A巣で卵を抱いていたカルガモにヒナを奪われてしまったのだそうです。仕方なくというか、健気にもというか、アイガモはいま、カルガモの卵を抱いている。
 あんまりびっくりしたので、「そんなことがあるんですか?」と聞き返してしまいました。
 カルガモの親は、愛おしそうにヒナを守っています。アイガモの親も、やさしく卵をあたためています。巣を離れるとき、アイガモは巣の上を草で覆っていくそうです。カラスなどにみつからないように。子を奪ったカルガモ。捨てられた卵を抱くアイガモ。孵ったカルガモのヒナは、アイガモを親として成長していくことでしょう。
 
カモの子育て

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コメント

_ QQQ ― 2015/04/27 14:28

このカルガモと8羽のヒナは、僕も見ました。かわいいですね。
このカルガモ自身のヒナだと思っていましたが、実は、別のアイ
ガモのヒナだったとは。アイガモの方が、体格的には強そうなん
ですがね。

ところで、ちょっと確認していいですか。
最初は、A巣でカルガモが、B巣でアイガモが卵を抱いていた。
そして、B巣のアイガモの卵が先にかえった。
すると、A巣のカルガモが自分の巣を放棄し、B巣のアイガモの
ヒナを横取りして出て行った。
ヒナを横取りされたB巣のアイガモは仕方なく、A巣に移って、
放棄されたカルガモの卵を暖めはじめた...ということですね。

では今、B巣は空っぽになっている筈ですが、写真を見るとアイ
ガモのメスが入っています。コイツは新顔で、後からやってきて、
「ちょうどいい空の巣があったので、ここを利用させてもらおう」
とばかりにB巣で卵を産んで暖めているのでしょうかね。

_ ももごろう ― 2015/04/27 21:19

私が子どものころ、産院で子どもが取り違えられる事件や、それを題材にした漫画がたくさんありました。このカモたちにはどんな事情があったんでしょうね。

いずれにしろ、ヒナたちはすくすく育っているようで安心しました。

_ くさ ― 2015/04/27 21:54

こんばんは。

こわ~いカモさん出てきませんでした(笑) 寝る前に黒目さんにそんなこと言われて、極悪カモの悪夢になったらどうしようかと思いました ^^; ちょっと会ってみたい気もしましたけど。

また「未記入」をしてしまい、すみません...、さくっとスルーしてくださってありがとうございます。

うむ....、このミステリーは、事故なのか、故意なのか???
1mしか離れていない巣.....、といっても、孵卵の進捗状況が違ったわけですよね。それなら本来間違えるはずないと思うのですが、カルガモ母さん相当うっかり?、なんていうことはないですよね...。

ちゃっかり母性に目覚めてヒナを守っているなら、「天然」?.... この時点で、カルガモ母さんがどれだけの日数、自分の卵を温めていたのかは興味のあるところです。産んだばかりだったのか、少しは温めた後だったのか。

毎日見てらした男性の仰天はもちろんのこと、一番驚愕したのは、当然アイガモ母さんですよね。カモの孵化までには、28日程度必要なようです。せっかく孵った我が子を連れ去られたアイガモさんのガックリは想像に余りあります(鳥がヒトと同じ感情かは定かではありませんが...)。

でも、育てばヒトと違い、すっぱり「子別れ」をするのだから、親の感情を抜きにすれば、家族?家系?的にはまったく問題ないわけですよね。もしかしたら、私たちが知らないだけで、自然界にはこんなこと、割とあるのかもしれませんね。なんといっても「託卵」で、明らかにサイズのおかしいウグイスがホトトギスを育てたりするほどですから...。育てさせられる親の方が、まんまと喰わされているわけです。

よくいえば、大らか。ですかね...。
自然の懐は、深い???

_ QQQ様 ― 2015/04/27 22:06

こんばんは。
私の書き方がわかりにくかったのかもしれません。
いま、B巣はからっぽです。
「巣(A巣)には卵も見えます。(4枚目の写真)」と書いたのがいけなかったのかもしれませんね。おさらいしてみます。

5枚目の写真でA巣は左、B巣は右。
いまA巣にいるのはアイガモ。
B巣はからっぽ。
B巣には1つだけ卵のようなものが見える

カルガモはA巣で卵をだいていた。
アイガモはB巣で卵をだいていた。
B巣で先にアイガモのヒナがかえった。
A巣のカルガモがヒナを奪っていった。
ヒナを奪われたアイガモはA巣に移動して卵をだいている。
B巣はからっぽ。

いかがでしょうか。

_ ももごろう様 ― 2015/04/27 22:17

こんばんは。
われわれ人間は、「親子の絆」などといいますが、鳥たちにそうした感情を持ち込むのは正しいことではないんでしょうね。鳥たちには鳥たちの事情がることをみておかないといけないだろうと思います。
カッコウは、他の鳥の巣に自分の卵を産みつけて育ててもらいます。
ツバメのメスは、別のオスと交尾した卵も一緒にあたためることがあるそうです。
鳥たちの生き方は一筋縄ではいきませんね。
アイガモがだいている卵がかえったらどうなるか。
カルガモに育てられているアイガモのヒナはどうなるか。
確認する余裕がないかもしれませんが、わかったら報告いたします。

_ くさ様 ― 2015/04/27 22:27

こんばんは。
カルガモがはっきりとアイガモのヒナを奪ったのだそうです。
アイガモのヒナを連れてカルガモ母が近くに来ても、アイガモ母は静かに卵をだいていました。アイガモ母は新しい子育てに専念しています。
人間が考える親子関係とは違った、鳥独自の世界があるんですね、きっと。

こわ~いカモさんは夢に出てこなかったんですか。それは残念でした!

_ QQQ ― 2015/04/28 00:41

理解しました。説明、ありがとうございました。
5枚目の写真には、2つの巣が写っていたんですね。なるほど。
しかし、よくこんな隣接したところに巣を作ってで抱卵するもの
だなあ。
取り違えられたヒナたちは、アイガモの方は自分をカルガモだと
思い、カルガモの方は、アイガモだと思ってしまうのでしょうか。
そうなると、このヒナたちが大きくなると、交雑が起こりそうで
すね。それはちょっといやだなあ。
ところで、カルガモが育てているヒナの中に黄色いヒナがいます
が、これが大きくなるとどんな色になるのかが、ちょっと楽しみ
です。無事に成長してくれればいいんですが。

_ くさ ― 2015/04/28 20:09

こんばんは。

それにしても卵がいっぱいあって、なんとなく、豊かな眺めです(ポイントはそこじゃないんですが)。卵って、なんだかとても可愛いですよね。親が愛おしそうに温めていれば、さらに。幸せを絵に描くとこんな感じかなぁ、って思います。

カルガモは、どうしてアイガモのヒナを奪ったのですかねぇ。直接聞いてみたいようです。アイガモ母さんは、展開に驚きながらも、状況を飲み込んで、切り替えたのでしょうね、すぐそこに卵があったから。アイガモさん、悲しみとショックを乗り越えて、がんばれ!

_ QQQ様 ― 2015/04/29 01:17

こんばんは。
ご理解いただけて、ほっとしました。
数年前にアイガモのヒナが川に捨てられて、そのヒナが大きくなって増えました。それいらい、合流点辺りを中心に交雑の花盛りみたいになっているように思えてなりません。
黄色いヒナが大きくなると、上の写真で卵を抱いているアイガモのようになるのだろうと思います。

_ くさ様 ― 2015/04/29 01:33

こんばんは。
>カルガモは、どうしてアイガモのヒナを奪ったのですかねぇ。
それがわかれば、ノーベル賞がもらえるかもしれませんよ。「かくしてカルガモは、アイガモを襲ったのでありました」なんて論文を書けば。巣が近すぎて、双方がイライラしていたのかもしれません。
>アイガモさん、悲しみとショックを乗り越えて、がんばれ!
われわれ人間は、こう言いたくなりますよね。擬人化して。私もアイガモを「がんばれよ」と激励しちゃいました。こういう感情で見ていれば観察もたのしくなります。でも、それはあくまで人間の感情ですけどね。

_ QQQ ― 2015/04/29 02:24

鳥のヒナは、生まれて最初に見た、動くものを自分の親だと思い
込む、という話を聞いたことがあります。きっとヒナたちが生まれた
時、何かの理由で、親のアイガモが自分の巣から離れていたん
じゃないでしょうか。
この近さだと、アイガモの巣から、隣のカルガモが見えてしまい
ますよね。
カルガモの方も、アイガモのヒナたちに近寄られてピーピー鳴か
れたので、自分のヒナが生まれたと勘違いし、ヒナたちを連れて
出て行ってしまったのではないかなあ。

ところで、僕はアイガモやカルガモの卵が孵るところを見たこと
はないですが、孵る時は、一度に孵るんですかねえ。
産むときも、10コぐらいの卵を一度に産むのでしょうか。産む
前は、その卵が全部、お腹の中に入っているってこと? どんな
状態でお腹の中に入っているんでしょうか、不思議です。

_ くさ ― 2015/04/29 21:29

こんばんは。

野鳥を擬人化... の話が出ましたので、黒目さんもお嫌いではないと見て、ちょっと私の気になるマンガなのですが(マンガですみません、)紹介しちゃいます。もしご興味とチャンスがあれば、どうぞ。アマゾンの中古で1円、送料込みでも258円で買えます。

主人公はアヒルで、マガモ、ササゴイ、ダイサギ、キジあとはインコやサイチョウも出てくるのでまぜこぜファンタジーですが、これが、意外と役どころを押さえていて、笑ってしまうのです。野鳥を知っている人の方が笑えます(たぶん)。

ぢべたぐらし あひるの生活 春夏編     by マツダユカ

_ QQQ様 ― 2015/04/29 22:28

こんばんは。
おっしゃるような状況もたしかにありえますね。
ヒナたちは、カルガモを親だと思ってしまっているので、元の親に戻ることはないでしょう。アイガモがあたためている卵が孵れば、アイガモを親だと思うこともまた当然ですよね。いずれにしても、ヒナたちには元気におおきくなってほしいです。きょう、アイガモの巣を見に行きましたが、親が卵をだいていました。
>孵る時は、一度に孵るんですかねえ。
まったく同時ということはありませんが、間を空けずに孵ると思います。バラバラに孵ってしまうと、ヒナの面倒はみなければ行けないし、卵はあたためないといけないし、という状態になるので、子育てには不利になります。
>10コぐらいの卵を一度に産むのでしょうか。
そこが私にもわからないところです。知っている人に聞いてみて、わかればブログでお知らせします。、何日かかけて卵を産み、産み続けている間は一生懸命にだくことはせず、産み終わったところで本格的に抱き始めるのではないかと想像しています。卵を産み落とすと、お腹の中で卵ができ、また産み落とす。卵のだき方を調整して孵る時期を同じにする。そんな感じではないかと思います。あくまで、想像ですが。ツバメがこの方法でヒナをかえします。

_ くさ様 ― 2015/04/29 22:49

こんばんは。
秋冬編というのもあるようですね。調べてみます。

_ QQQ ― 2015/04/30 02:42

ありがとうございました。とても参考になりました。もし母ガモが
卵の抱き方で孵る時期を調整しているなら、同時に10個も卵が
お腹に入ってなくてもいいわけですからね。ツバメがそうやって
いるなら、カモにも出来るかもしれませんね。
どうもです。また何かわかりましたらブログで教えてください。

_ QQQ様 ― 2015/05/01 01:10

こんばんは。
カモは卵をどんなふうに産むのか。調べてみます。

_ くさ ― 2015/05/01 21:36

こんばんは。
横合いからすみません。私も興味があるので調べてみました(^^)

カモの産卵間隔: 一日おき
http://akaitori.tobiiro.jp/simpleVC_20101031090441.html

カモは一斉抱卵。ある程度数がそろわないと温め始めないようです。
上のリンクでは「産卵間隔は一日おき」とありますが、下の飼育日記の記述からは、毎日一個ほど産んでいるようです。飼育下だからかもしれませんね。
http://akaitori3.web.fc2.com/houran.html
http://www.tobezoo.com/shiiku/daialy/nikki/201101/20101230.htm

以下、ニワトリのケースですが卵の形成過程です。書かれている趣旨は黒目さんのブログとは違うものですが、うまく該当するものが探せませんでしたのでご勘弁ください。大元のソースはリンク切れのようです。

‘卵巣内の卵胞に肝臓から栄養物質が運び込まれ 7〜9 日かけて次第に大きくなり、成熟すると順次、卵管へ排卵される(このときは卵黄のみである)卵管内では、まず、卵黄に卵白がくるまり、次に卵殻膜ができ、最後に石灰質の沈着により卵殻が形成され、体外へ放卵される。‘
http://macveg.blog68.fc2.com/blog-entry-546.html

要約すると、カモのお腹に卵の素はたくさんある(昔はよく‘キンカン‘の煮物を母が作ってくれました^^;;)が、産卵の直前に卵殻ができる。産卵は野生では1日おきかもしれない。数がそろわないと抱かない。こんなところでしょうか。

長くなり失礼しました。

_ くさ様 ― 2015/05/02 00:36

こんばんは。
お調べいただいて、ありがとうございました。参考になりました。
カモがウミガメのようにポトン・ポトンと卵を産む感じはしません。
10個ほどの卵を体に入れていたら、動けないですもんね。
1つ産んでは卵ができ、また産んではまたできる…。
ある程度数がそろったら、抱卵に入る。
カモもツバメも一斉抱卵。ほぼ同時に孵す。
ヒナの育ち方が違うと、エサの大きさも変えなければなりませんし。
親の負担を考えれば、同じように育ってくれた方が合理的です。
シジュウカラとかスズメとか、小さい鳥もいなじなのかもしれません。
猛禽はどうか。ハトはどうか。
考え始めると、いろいろ面白いテーマがみつかるもんです。
そいうことを本格的に調べてしまうような人が学者になるのでしょう。

_ くさ ― 2015/05/02 20:23

こんばんは。
>猛禽はどうか。ハトはどうか。

実はこれは、私が上で添付したリンクに答えが載っています。akaitoriで始まるふたつのリンク(産卵・抱卵)ですが、このページの「鳥へぇ」に行くと、鳥ごとの卵数ほか、面白い情報が簡潔にまとめられています。(感心)

猛禽類は生き餌が何日も採れない時に、ヒナの大きさが同じだと全滅の恐れがあるため、順次抱卵。また、オスが狩りをし、メスが育児するなど分業が進んでいるため、ヒナの世話と抱卵が同時にできる、そうです。黒目さんのツミ(雀鷹)の過去ブログ(2012.7.9)を拝見すると、まさにその通りの写真ですね。

ハトは、2卵目を産むまで、本格的な抱卵はしない。また、渡りをする鳥の場合、ヒナの大きさが揃っていないと渡りに支障が出る、だそうです。なるほど、納得です。

話変わって、マンガ「ぢべたぐらし」ですが、黒目さんに紹介すると同時に注文していた「秋冬編」が届き、読みました。相変わらず笑えたけれど、心配した通り、最初の「春夏編」と、ちょっとタッチが変わった気がしました。よくあることですが、マンガって、巻数が進むと作者さんも描きなれてくるのか、表現がオーバーになったり(どぎつくなる感じ)、初めの良さが、なんとなく失われてしまうんですよね。新登場、カワウ二羽の会話は面白かったんですけれども。

あと、昨日「キンカン(卵黄の入ったモツ)の煮物」に触れましたが、これは当然ニワトリのことで、カモのものではありませんので(おわかりだとは思いますが、念のため^^;)、あしからず、申し添えてさせてください。

長文失礼しました。

_ くさ様 ― 2015/05/03 01:06

こんばんは。
詳しく教えていただいて、ありがとうございます。
猛禽は、たしかに役割がはっきりしていますね。子育て期のオスのけなげなこと。エサの運び人(?)です。卵を産む前は、オスが「エサをもってきたぞ!」と鳴いてメスを呼びます。そのエサが気に入らないと、メスは自分で捕りに行ったりしますからね。こうなるとオスも形なしです。

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