原発再稼働の愚2012/04/13

  野田首相ら3閣僚が、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を「妥当」と判断したそうです。北朝鮮のロケット騒ぎに紛れて、いかにもの決め方ですね。私は、原発はいらないと思っているので、再稼働には賛成しません。しかし、電力不足などを心配している方もいらっしゃいます。政府の姿勢は、こうした人たちの気持ちをも裏切るものではないかと思います。
  政府が 決めた再稼働の方針には3つの基準があります。電源車の確保など、政府が電力会社に求めてきたことができているか。ストレステストの内容をクリアしているか。防潮堤強化などの計画があるか。なんてことはない、これまでに実施してきたことと、決意表明さえあればオーケー。再稼働先にありきのやり方です。これが、原発被害を目の当たりにした政府のやることでしょうか。
 再稼働の基準には、再び「想定外」が持ち出される危険を感じます。津波で電力施設がやられたのが事故の原因だ、という考え方だけで議論をすすめています。本当に津波だけなのか。地震の揺れでは壊れなかった、といいきれるのか。地震による被害は、いまだに検証されていません。これは、多くの人が指摘している問題です。
 本格的な検証もないまま、事故の収束宣言を出し、再稼働にGOを出す。野田さんの目には電力業界と原子力村しか見えていないのでしょう。見るべきものは、人間の命なのに!

政治の茶番劇などをやっている場合か?!2011/06/03

 地震・津波・原発事故という未曾有の被害から3カ月弱。復興へのプログラムが渇望されているときに、自民・民主両党を中心にした茶番劇は政治の名に値しないのではないでしょうか。
 原発建設を推進して安全神話を振りまいてきた自民党は、それへの反省も語らないまま、また復興に向けたまとまったプログラムも提示しないまま、菅降ろしだけを政治目標にして内閣不信任案を上程しました。
 一方の民主党は、菅・鳩山両氏の密室談合というもっとも自民党的なやり方で対応。菅首相は、本会議開会前に「震災対応など一定のめどがついた段階で、若い世代に責任を引き継いでいただきたい」と表明したものの、本会議終了後の記者会見では、来年1月まで続投する意向をにじませました。6月中の退陣だとした鳩山氏との認識の違いが早くも表面化しています。密室で談合すればこうなることは、「一定のめどがついた段階で」という曖昧な表現を聞いたときからわかっていたことです。小沢氏の動向も含めて、「政局」が延々と続きそうです。
 いま政治がやるべきことは、被災地の人たちの意見を真摯に聞いて、各党がお互いの復興プラグラムを突き合わせて、中身のある議論をしながら、速いテンポで計画をつくっていくことだ、と考えるのは私だけでしょうか。

東日本大震災 鳥類保全にむけて2011/05/23

 山階鳥類研究所が、「東日本大震災に関する鳥類の保全に向けての提言」を文部科学省と環境省に提出しました。大地震が起きた当初、津波の襲来を伝えるテレビ映像に、鳥が舞っているシーンもあったことから、私なりに被災地の鳥たちはどうなるのか心配していました。大事な提言だと思うので、簡単に紹介します。(全文は、こちらから)
 「三陸沖は、海鳥の大規模な繁殖地となっている島を多数含み、海鳥の保全を考える上でとても重要な地域です」といっています。絶滅が心配されるクロコシジロウミツバメやヒメクロウミツバメなど、「海鳥の繁殖率の低下が引き起こされるおそれがあります」として、繁殖地の早急な現状把握を求めています。島々の多くが無人島のため、意識的に調べなければいけない、ということだろうと思います。
 原発事故による餌場の汚染が心配され、「非常に広範囲の海鳥が被曝(ばく)の被害にあうことが懸念されます」と訴えています。伊豆諸島で繁殖するアホウドリやオオミズナギドリは、繁殖期に三陸沖を頻繁に訪れるそうです。このため、「海鳥の遺体や放棄卵などを収集・分析することで、汚染の広がりをモニタリングする必要があります」としています。
 海鳥だけでなく、沿岸性鳥類や陸鳥についても、書いています。渡り中継地の現状に関する調査、コアジサシの繁殖地の関する調査の必要性を強調。
 すべてのグループに共通する課題として、奇形個体の出現や個体数の変動を長期にモニタリングすること、学術研究資料の被害状況を把握することも指摘しています。
 「提言」にあたって山階鳥類研究所は、「環境の指標としての野生鳥類への影響を調査することは、私たち人間の安全の検証のためにも重要です」といっています。同感です。野鳥だけでなく、野生動物や植物など自然環境全般にわたる調査も必要になってくるのではないかと思います。とくに原発事故による放射性物質の影響は、細か調べなければならないのではないでしょうか。

浜岡原発停止2011/05/06

 菅直人首相が記者会見して、浜岡原発のすべての原子炉を停止するよう中部電力に要請したことを発表しました。大地震後、もっとも意味のある会見かもしれません。
 浜岡原発は静岡県御前崎市にあります。発電施設は1~5号機まであります。このうち1~2号機は運転を終了。3号機は定期検査をしていて停止しています。残る4~5号機が動いています。政府は、3・4・5号機を停止することを求めたことになります。
 浜岡原発は、「世界一危険な原発」といわれ続けてきました。文部科学省の地質調査研究推進本部は、今後30年以内にマグニチュード8.0程度の東海地震が起きる可能性を87%としています。浜岡原発は、東海地震の震源域のほぼ真ん中、もっとも危険な場所にあります。2009年8月には、駿河湾の地震(M6.5)で、浜岡5号機が設計時の想定を超える揺れに見舞われています。M8.0だったらどうなるのか!
 その原子炉を停止する。まっとうな選択だと思います。ただ菅首相は、「防潮堤の建設など中長期の対策が完了するまでの間」といっています。条件つき停止、一時的中止です。ふたたび「想定外」を繰り返さないためには、永久廃炉が必要だと思われます。浜岡は危なすぎます。

崩れた「原発五つの壁」2011/04/09

 3月7日深夜に起きた東日本大震災の余震で、東北電力・東通(ひがしどおり)原発の非常用発電機が停止するトラブルが発生しました。非常用発電機3台のうち2台が定期点検中。命綱だった残り1台の発電機が作動したものの、8日午後になって油漏れを起こして停止。3台の発電機すべてがストップする事態になりました。外部電源の一部が復旧していたため、すべて電源を失う事態は免れましたが、下手をすれば使用済み核燃料が熱をもち、東電福島第1原発の二の舞になりかねない状況だったと思われます。東通原発の震度は5強。この程度の地震ならいつでも起こります。それで電源喪失が起きるようでは、「安全基準」が相当いいかげんだったのだと思われます。
 共同通信ネット版によると、経済産業省の西山英彦官房審議官(原子力安全・保安院担当)は9日午前の記者会見で、「五つの壁があるなんて言ってきた。私も多重防護で絶対大丈夫と信じてやってきたが、こういう事態になった」と反省の弁を述べました。発言のきっかけとなったのは、7日深夜の余震だったそうで、「東通で起こったことを考えると、これまでの対応は十分でなかった」とのべました。
 「五つの壁」とは、(1)ペレット(2)被覆管(3)原子炉圧力容器(4)原子炉格納容器(5)原子炉建屋―をいいます。
 【ペレット】 核燃料を焼き固めたもので、大部分の放射性物質を中に閉じ込める。  【燃料被覆管】 ペレットを密封するジルコニウム合金製の管。ペレットから出る少量の放射性ガスも閉じ込める。
 【原子炉圧力容器】 厚さ16センチの鋼鉄製容器。数万本ある燃料棒を収納。何らかの原因で被覆管が損傷しても、放射性物質を閉じ込める。
 【原子炉格納容器】 圧力容器など主要な原子炉機器を包む厚さ3センチの鋼鉄製容器。最悪の事態が発生しても、放射性物質を閉じ込めておく。
 【原子炉建屋】 1~2センチのコンクリートでつくられた建物。放射性物質の閉じ込めに万全を期す。
 この「五つの壁」は、「原子力安全神話」を支えてきたものです。すでに「五つの壁」が崩れ去った、という指摘はさまざまされてきましたが、政府関係者も認めざるを得なくなりました。神話は崩壊しました。
 佐賀新聞のネット版は、「『福島震撼 検証玄海』崩壊 原発安全神話(1)」という企画記事のなかで、3月22日に開かれた参院予算委員会の模様を伝えています。
 「22日の参院予算委員会。国の原子力安全委員会の斑目春樹委員長は、以前、非常用電源がすべて喪失した場合について『そんな事態を想定したのでは原発は造れない。割り切らなければ設計できない』と発言していたことを指摘された。『割り切り方が正しくなかった。十分反省している』と『想定』の甘さを認めざるを得なかった」
 原発で儲けようと思えば、安全対策が「割り切り」の対象になる、ということです。原発の新設はやめ、いまある原発も少しずつ減らしながら、新しいエネルギー政策を確立することが、もっとも安全な道だと思われます。

また地震が2011/04/08

 7日午後11時半すぎ、宮城県沖で強い地震(マグニチュード7.4)がまた起きました。ちょうどブログをアップし終わったときでした。長い地震でした。3月11日の大地震のときの揺れによく似ていました。東京の震度は3だったので、揺れの強さは前回ほどではありませんでした。
 すぐに仙台市(震度6強)と、岩手県陸前高田市(震度6弱)より内陸部にいる友人にメールを送ったところ、無事を確認。岩手からは電話がきて「すごい揺れでした。死ぬかと思った。いま停電してます。家の中で寝られそうにない」と怖がっていました。宮城県沿岸に津波警報が出ているので、仙台にも岩手にもくれぐれも気をつけるように伝えました。
 夜中なので、避難している人たちの安否や津波の被害は、まだ伝わってきていません。新たな被害がでなければいいのですが、心配です。
 宮城県の女川原発(東北電力)で、外部からの電源が3系統のうち2系統で使えなくなった、とNHKが伝えています。これも心配。

計画停電(輪番停電)パート10 通常運転2011/04/01

 西武池袋線・新宿線が4月1日から、特急を除いて通常運転になりました。東京メトロとの直通運転も再開されました。東久留米駅には、「全線通常運転」の告知が置かれていました(写真上)。これでだいぶ楽になります。ただ、西武鉄道のホームページでは、「電力事情により弾力的にダイヤを変更することがございます」ともいっています。
 駅構内は、節電で暗くなっていますが(写真下)、不便は感じません。構内の広場にはいつもお店が出ていたのですが、地震後はどうなっているのか。記憶にありません。毎日見ているはずなのに、意識して見ていないとわからないものです。

東久留米駅

東久留米駅

福島原発事故と危険の予見2011/03/29

 東京電力福島第一原発が、あちらをたてればこちらがたたない異常な事態に陥っています。タービン建屋から外につながる行動に放射線に汚染された水がたまり、海に流れ出す危険にさらされています。一方、燃料を冷やすためには大量の水を注入し続けなければなりません。結局は、汚染水を海に投げ捨てる羽目になるのでしょうか。大気汚染、土壌汚染、海洋汚染の連鎖が広がるだけなのか。

東電の福島原発パンフレット
 1冊のパンフレットのコピーが手元にあります。東京電力が12年前、1999年2月に発行した『12世紀のエネルギーのために 福島第一原子力発電所』です。このとき、東電はどんな宣伝をしていたのか。記録しておくことも意味があるでしょう。
 「設備の多重化」と題して、次のように書いてあります。
 「原子力発電所の設備は安全確保のための機器が二重三重になっています。また放射能をとじこめる防壁は何重にもなっていて、仮に事故が発生しても放射能が外へでて周辺の人々に影響を与えることは考えられません」
 「地震対策」という項目もあります。
 「福島第一原子力発電所では、当地方の地震や高潮、津波についても過去数百年にさかのぼり調査し、これをもとに予想される最大級の地震に対しても、十分余裕をもって設計されています」
 ここで、国会の議事録を紹介します。上の東電パンフレットと読み比べてください。

事態を予見した国会質問
 質問者は、日本共産党の吉井英勝衆院議員。国会会議録検索システムを使って見ることができます。検索用に必要な情報を記します。
 平成十八年三月一日 第百六十四回国会衆議院 予算委員会第七分科会。
 この質問で吉井氏は、津波による「炉心溶融」「水蒸気爆発」「水素爆発」が起きる危険性を指摘しています。答弁者の「広瀬政府参考人」は、原子力安全・保安院長の広瀬研吉氏です。
 議事録は吉井議員のホームページからも入手できます。
 ○吉井分科員 今おっしゃった四分の話というのは、直下型で同時に津波が起こったときには、私はそういう発想も成り立つかと思っているんです。それをあながち否定しているんじゃないんです。しかし、チリ津波なんかのときには、そもそも周期が五十分なんですね。長いんです。そのときは、水位低下の状態が長時間にわたるわけです、二十分近くとか、あるいはもう少し長い場合とか。ですから、それは、今おっしゃったような簡単な話じゃない。
 ですから、確かに、津波が来れば、すぐその対策を遠くからの津波だったらとれるわけです。しかし、近くの津波の場合は、地震そのものの問題、浜岡でいえば冷却水管が破損されるということも含めて考えなきゃいけない。そういう深刻な問題を持っているということを考えて、しかし、その対策をちゃんととらなかったら、例えば、原子炉停止に時間がおくれ、崩壊熱除去の取水槽の水量が不足してしまったときは、これは私、余り大げさに物を言うつもりはないんですが、しかし、最悪の場合というのは、常にこういうものは考えなきゃいけませんから、最悪の場合には、崩壊熱が除去できなければ、これは炉心溶融であるとか水蒸気爆発であるとか水素爆発であるとか、要するに、どんな場合にもチェルノブイリに近いことを想定して対策をきちんきちんととらなければいけないと思うんです。最悪の場合は、崩壊熱が除去できなかったら、そういうことになり得るわけでしょう。
 ○広瀬政府参考人 原子炉施設の場合でございますが、まず、BWR、沸騰水型の場合には、原子炉停止時冷却系で原子炉の崩壊熱を除去いたします。これは、原子炉から出てまいります水蒸気を用いて、蒸気タービンで原子炉隔離時冷却ポンプを動かしまして、サプレッションプールの水で冷却をするというやり方で、これが機能すると考えております。また、加圧水型原子炉の場合も、同様な形で補助給水系を稼働させて原子炉の崩壊熱を除去できるというふうに考えております。
 ○吉井分科員 要するに、おっしゃったタービンを回す冷却系が、それ自身を冷却するのに冷却用の海水を使うわけですよね。それが失われてしまうということは、これはそもそも、その冷却機能が失われるということになるんです。とめた場合は比較的早くにその冷却水量は少し要らなくなったとしても、今度は内部の崩壊熱除去にそれは必要になってくるわけです。内部の崩壊熱の除去の分が一分間六十トンということで、これが失われてきたりすると、やはり深刻な問題になるわけですね。
 だから、最悪の場合は炉心溶融とか起こり得るということを念頭に置いて対策を考えなきゃいけないと思うんですが、そのことは一応念頭に置いての対策を考えるんですね。
 ○広瀬政府参考人 先ほど申し上げました蒸気タービンといいますのは、発電系のタービンではなくて原子炉隔離時冷却系のポンプを動かすタービンでございますので、そのタービンで補助原子炉隔離時冷却系を作動させるということになっております。原子炉の安全性のためには、停止した場合に崩壊熱を除去するということを第一に考えて対応することが重要だと考えております。
 ○吉井分科員 ですから、原子炉をとめるまでも、とめてからも、その冷却をする冷却系が喪失するというのが、津波による、引き波による問題なんです。
 あわせて、大規模地震が起こった直後の話ですと、大規模地震によってバックアップ電源の送電系統が破壊されるということがありますから、今おっしゃっておられる、循環させるポンプ機能そのものが失われるということも考えなきゃいけない。その場合には、炉心溶融という心配も出てくるということをきちんと頭に置いた対策をどう組み立てるのかということを考えなきゃいけないということだけ申し上げて…。