まるモズさん2011/02/08

 黒目川にまるまっちいモズのメスがいます。人が近寄っても静かにしていれば、知らん顔をしています。嘴の鋭さに反して体つきがまるいので、精悍さを感じません。つぶらな目も手伝って、妙にかわいいです。
 モズは百舌と書きます。いろいろな鳥の鳴き声をまねるところからきているそうです。山渓ハンディ図鑑『日本の野鳥』には、「春先や小春日和につぶやくようにメジロ、ウグイス、コジュケイなど、他の鳥の鳴き声をまねて歌っていく」と書いてあります。
 とらえた獲物を木の枝に突き刺す、モズの「はやにえ」は有名です。突き刺した獲物の場所をどこまで覚えているんでしょうか。
 「はやにえ」については、昔話があります。柳田国男の『野鳥雑記』に紹介されています。
 モズは友人のホトトギスに昔から借りがありました。借りを返すためにカエルなどをとって枝の先に突き刺しておくのだそうです。ホトトギスはモズに催促して、トッテカケタカと鳴く…。
 昔ホトトギスは馬の沓をつくる職人でした。モズはその友人の馬方でした。ホトトギスがつくった沓を借り倒して代金を払うのを怠ったモズは、今もって虫類をとってきて枝に串差しにしてホトトギスに餌を供している…。
 昔話に出てくるモズの「はやにえ」は、ホトトギスへの罪滅ぼしでした。この苦行はいつまでつづくのでしょうか。

モズのメス

モズのメス

モズのメス

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