北海道新聞のネット版によると、東京電力福島第１原発事故について、日本経団連の米倉弘昌会長が「千年に１度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」とのべました。道新は、東京で記者団に語ったもの、と伝えています。これが日本の財界のトップの発言です。耳を疑います。
　炉心溶融、原子炉格納容器の損傷、放射性物質の放出という重大な事態が立て続けに起き、避難している人たちに必要な物資も届かず、放射性物質がさらに飛び散る危険があるなかでの発言です。人が命の危険にさらされているときに、どうしてこういう発言ができるのか。地震と津波という天災に、原発事故という人災を加えてしまったことへの痛みがあまりにもなさすぎます。世界に原発を売ろうしている魂胆がみえみえの発言です。いま米倉氏がいうべきことは、財界あげて全力で被害を食い止めたい、ということだったはずです。米倉氏は、自らホースを持って「安全な」原発に注水しに行かなければならないでしょう。
　それにしても、在京の記者団に語ったのなら、他のメディアも聞いていたはずです。ネットで見る限り、米倉氏の発言を報じたメディアは道新以外にみつかりません。報道機関の質も問われます。
　不愉快極まりない発言ですが、写真だけはきれいなものを載せます。「写真上」は菜の花、「写真下」はハナダイコン（ショッカサイ）です。