昆虫レストラン(8)2011/08/19

 樹液に集まる虫たち。前回に続き、東京の西端、奥多摩町で撮った写真です。
 このチョウも初めて見ました。スミナガシというチョウのようです。青緑に黄色が混じったような色をしています。見る角度によって、色合いが変わるのかもしれません。あるいは、オスとメスとで、色合いが違うのかも。ストロボを当てて撮ればよかった、と悔やんでいます。ピンとも甘いし…。赤い舌が印象的です。
 それにしても「墨流し」とは、いかにも和風の名前ですね。水に墨を流して模様をつくり、それを紙に写し取る。その「墨流し」と、このチョウの模様とが1つのイメージでつながったんですね。命名者は、なかなか粋な人のようです。
 
スミナガシ

スミナガシ

タマムシ発見2011/08/19

 18日に最高気温を記録した東京は、19日に一転して大雨になりました。気温も25度を割っています。だいぶ過ごしやすくなりました。そのかわり、雷の危険があるとか。たしかに、空でゴロゴロ鳴っています。今年は「ゲリラ豪雨」ならぬ「ゲリラ雷雨」がニュースになりました。気をつけなければいけませんね。
 こういう雨の日は、思いがけないものに出合うことがあります。小降りになったころを見計らって、近くにある小さな雑木林に行ってみました。とくに変わったこともなく、なんだ期待はずだったなあ、と帰宅しかけました。しかし、せっかく足を運んだのだから、もう1周見て回ることにしました。
 やややっ! 木の杭に何かいます。それもグリーンに輝いている。タマムシです。この雑木林で見るのは初めて。雨に濡れて、一段と輝いています。光が少なくて暗いことも、タマムシを撮る条件としては最高です。というのも、暗めの方が輝きが引き立つからです。露出をアンダーめに設定すれば、金属的な光沢感が引き立つはずです。
 しかしそれは、三脚があればこそ。高感度が利かないコンパクトカメラを手持ちで使おうというのですから、ブレることは間違いなし。アップに耐える写真になるかどうかがポイントです。傘を地面に突き刺して肘をのせ、タマムシがとまっている杭で手首を固定して、シャッターを切りました。撮った写真を見てみると、8割はブレていました。やっぱりトホホでした。
 タマムシは、上を向いてとまる傾向があるようです。カメラでお尻をつついてみたら、のそのそ歩き出しました。杭のてっぺんでうろうろしていましたが、結局はもとの位置に戻ってしまいました。警戒心の強い虫だそうですが、逃げることもなく、私につきあってくれました。
 タマムシで思い出すのは、法隆寺に伝わる玉虫厨子ですね。飛鳥時代のものとされています。タマムシの翅が古くから各種の装飾に使われていたことを教えてくれます。ただ、害虫の側面もあるようです。
 
タマムシ

タマムシ

タマムシ

タマムシ

タマムシ